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前回の採用コラム(「採用」は本当に難しい!)では現場の採用業務が大変だった…という話をしましたが、今回は、採用ツールの選定や求人票の書き方の話をしようと思います。
ただ「求人を出しておけば応募が来る」という時代ではなくなったからこそ、押さえておきたいポイントを解説していきます。

主な採用ツールの特徴を理解する

まず、採用ツールにはいくつかのタイプがあり、求める人材層や予算に合わせて選ぶ必要があります。

 1.人材紹介型(リクルート、dodaなど)

エージェントが自社に合う人材をマッチングして推薦してくれるサービスです。
費用は、成功報酬で初年度年収の30%程度が目安です。お任せ度が比較的高く、採用業務にかける労力が少なくなることがメリットです。
入社後早期に退職した場合は、採用費が一部返金される制度を導入する人材紹介会社も増えてきました。

ただ、近年、応募者が選考途中で辞退するケースが増加していると感じています。
新型コロナ以降、オンライン面接の普及や簡易な履歴書・職務経歴書の許容により、コロナ前の「訪問面接が前提」だった時代に比べ、応募・面接のハードルは大幅に下がりました。この変化には一長一短がありますが、応募のハードルが下がったことで辞退率が高まっているのは事実です。
特に人材紹介会社の保有求人数は非常に多いため、求職者が6〜10社程度を併願することが主流となっています。その結果、志望度の高い企業の選考が進めば、志望度の低い企業は辞退する、という行動が容易に行われる時代となっています。

 2.スカウト型(ビズリーチなど)

自社から求職者に直接アプローチをかけるツールです。
費用は初期費用が数十万円+成功報酬が初年度年収の10〜20%程度となっています。
データベースに登録されている履歴書や職務経歴書を確認できるため、「自社に合いそうだ」と思った人材へ直接アプローチが可能です。
ツールによっては、条件に合う対象者を自動検出して送信する機能もあります。

近年はスカウトツールを導入する企業が急増しており、求職者のもとには大量のスカウトメールが届くようになりました。そのため、定型文(自動テンプレート)のまま送信しても求職者の心には響きにくくなっています(なかなか開封してもらえないのが実情です)。 一人ひとりの経歴をしっかり読み込み、その人に合わせたメッセージを送る方が開封率や返信率は格段に高くなりますが、担当者の労力がかなりかかるというデメリットもあります。

その代わり、履歴書をしっかり確認した上でこちらから声をかけているため、マッチ度が高く、入社後のミスマッチや相互のギャップが生じにくいという大きなメリットもあります。

 3.ハローワーク

費用をかけずに幅広く人材を募集できる公的な職業紹介機関です。
地域密着型のため地元の求職者の目に留まりやすく、UIJターン希望者へのアプローチにも適しています。

無料で掲載できるため採用コストを抑えられる一方、掲載情報のフォーマットが限られているため自社の魅力や社風を伝えにくいという側面もあります。

そのため、単に求人票を出すだけでなく、詳細な職務内容や職場環境の魅力を具体的・魅力的に書き込む工夫が重要となります。

 4.検索エンジン型・アグリゲーションサイト(Indeed、求人ボックスなど)

掲載期間の制限がなく基本無料でスタートできるため、認知拡大や圧倒的なPV(閲覧数)を獲得しやすいのが最大のメリットです。
一方で、スマホから手軽に応募できる仕組みになっているため、「とりあえず応募してみた」という志望度の低い層が集まりやすく、選考途中での辞退率が高くなりやすいというデメリットもあります。そのため、単に掲載するだけでなく、職場の写真を載せたり仕事内容などの情報量を増やして原稿を充実させたりと、自社の魅力をしっかり伝える運用が欠かせません。また、競合に埋もれないよう「有料広告(クリック課金)」を併用するのも効果的です。

適切な賃金設定のための「3つのチェック」

求人を出しても応募が来ない大きな要因の一つが「賃金設定のギャップ」です。次の3ステップで適切な相場を確認しましょう。

 1. 同じ業務で近隣の求人を参考にする

   同じ地域・同じ職種でどのような条件で募集されているか、実際の求人情報を参考にします。

 2.統計データを参考にする

   厚生労働省の統計調査や地域の賃金動向など、客観的なデータを確認します。

 3.最低賃金を下回っていないか確認する

   毎年の最低賃金改定に伴い、既存の給与体系や手当込みの額が基準を満たしているか、必ず最終チェックを行います。

賃金設定の注意点

ただし、近隣の大手企業の求人を参考にすると、中小企業は賃金面でどうしても叶わない部分があります。かといって、応募者を増やすために無理な賃金引き上げを行うと、既存社員とのバランスが崩れたり、将来的な人件費を圧迫したりするため非常に難しい問題です。
給与条件だけで差別化が難しい場合は、働く環境や企業の独自性など「求職者の心に響く自社の魅力」をしっかり言語化し、求人原稿に盛り込んでカバーしていくことが大切だと感じています。

どういうところが「自社の魅力」なのかを考える

自社にとっては当たり前の環境でも、求職者にとっては大きな魅力になることがあります。
ターゲット層に合わせて魅力を具体的に伝えることが大切です。

 1. 休日数が多い職場(年間休日120日以上 / 完全週休2日制など)

年間休日数の多さを前面に出すことで、プライベートを尊重した働き方を求める層や、ワークライフバランスを最優先する求職者へ強力なアプローチとなります。

単に「休日が多い」と書くだけでなく、「土日祝休み」「有給取得率〇%」「長期休暇の取得実績あり」といった具体的な数値を添えることで、働くイメージがよりリアルに伝わります。

 2. 働き盛りの年齢で、育児や介護との両立で悩んでいる層(20〜40代の働き盛り世代)

「急な発熱や学校行事で休めるか」「介護で残業が難しい時期を乗り越えられるか」といった不安を抱える層には、急な休みや早退にも柔軟に対応できるチームフォロー体制が大きな安心感につながります。

「子育て中の社員が多数活躍中」「急な欠勤もチャット等で連絡すればチームでカバーする文化がある」など、実際の現場の雰囲気を具体的に言語化することが大切です。

 3. バリバリ働きたい人・キャリアアップを目指す層

成果や頑張りに応じたインセンティブ(歩合制)や評価制度を採用している場合は、「稼ぎたい」「成長したい」という意欲が高い層に強く刺さります。また、若手でも「提案が通りやすい風土」や「スケジュールや進め方を自分の判断で決められる裁量の高さ」も魅力になります。

「入社〇年目でリーダーに抜擢された実績」や「年次を問わずアイデアが採用された事例」などを載せることで、成長意欲の高い若手の心に響きます。

応募者が気にしそうなことを「できるだけ詳しく」書く

面接でよく質問されることや、応募者が気にしそうな「現場のリアル」をできるだけ詳しく書くことが、ミスマッチを防ぐ鍵になります。
(ここは、次回のコラムで、より実践的に活用していただけるよう「職種別・テーマ別の魅力の伝え方(求人原稿への落とし込み方)」を詳しく解説していきます。ぜひ次回も楽しみにお待ちください!)

 1. 営業職などの具体的な働き方

例えば営業職なら「出張はあるのか?」「宿泊を伴うのか?」「飛び込み営業はあるのか?」など、応募者が不安に思う部分を先回りして明記します。

 2.職場全体のイメージ

「会社全体で何人のチームなのか」「どのような年齢層が多く、雰囲気はどんな感じなのか」を具体的に記載し、働く姿をイメージしやすくします。

 3.文面を整える|AIだけに頼らない「オリジナル感」

最近はAIを使って簡単に求人票の草案を作成できるようになりました。とても便利ですが、AIが作る文面は綺麗すぎるため、どこか無機質でターゲットに響きにくいことがあります。AIで作成した文面をベースにしつつも、地元や求めているターゲット層の心に直球で響く言葉を考え、自社ならではのオリジナル感を出すことが大切です。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

私自身、企業で人事労務を担当していた時代、ワークライフバランスや有給の取りやすさを前面に打ち出している企業に在籍していました。そのため、自社の強みを整理し、育児や介護と仕事を両立しやすい環境など「求職者に響く両立支援のアピール」として求人票に落とし込む作業を得意としています。

当事業所では、顧問契約内に給与計算や社会保険手続きといった一般的な社労士サービス業務のほか、月1回の求人票作成も含まれています。

型通りのきれいな文面を書くだけでなく、貴社に寄り添いながら「欲しい人材への近道」となる求人票を作成いたします。
気になる方は、ぜひ一度お問い合わせください。